多弦ギター
最近は、また多弦ギターに対するユーザーのご関心が高まっているようですが、当工房では、これまでも積極的に多弦ギターの製作に取り組んで参りました。中でも手の小さい方にご好評のショートスケール、音質も良くルックスも綺麗で人気のあるメープル材使用ギター、ピックアップ内蔵のエレアコ仕様、左利きの方には左仕様など様々なお客様のご要望にお応え致しております。
また、リュートの曲を弾かれるお客様などにもご好評を頂いております。多弦ギターの6弦ギターとは違った味わいのある響きを是非ご体感ください。
7弦ギター
ブリッジ弦穴
トリプルホール(3穴)
トリプルホール(3穴)
エレアコ仕様
8弦ギター
大阪府堺市のお客様より (上記ギターのお客様)
早速、弾いてみました。高音も低音も非常に良く鳴り、重厚な音という印象です。パーセルのロンドが好きな曲の一つですが、6弦ギターでは音が軽く感じていましたが、重厚な響きが出て気持ちが良いです。弦高調整もありがとうございした。7弦をD、8弦をAにチューニングをして、ビビりはありません。
また、弾きやすさを感じることができました。ネックの形状と少し順ぞりに製作されているとのことでしたので、その効果かもしれません。演奏がより楽しくなりそうです。どんどん弾きこんでいきたいと思います。
ありがとうございました。
※追伸
ホームページ掲載のご連絡ありがとうございます。早速拝見させていただきました。
自分のギターをホームページ上で見るのは感慨無量です。ギターの製作依頼を検討している方の参考になれば幸いです。
私も井田さんのホームページに掲載された方々の感想を参考にさせていただき、初めてのギター製作を井田さんにお願いすることを決心しました。
そして、私も製作していただいたギターに大変満足しています。音色も外観も大変満足です。仕事は忙しかったのですが、この4か月はほぼ毎日弾いています。8弦ギターにしてよかったと思います。
本当にありがとうございました。
10弦ギター
サイズの比較(弦長とボディ)
650mm(標準):写真の左側
640mm
630mm(7/8サイズ)ボディも一回り小型です。
:写真の右側
他サイズも可能です。
専用ギターケース付き
バック&サイド=メープル
エレアコ仕様
お客様の用途はジャズ音楽
・左仕様
・エレアコ仕様
お客様のご意向が随所に反映されています。
・7/8サイズ
・弦長630mm
女性の方からご注文を頂きました。
リュート調弦仕様
630mm、7/8サイズ
ネックの軽量化により、ネックとボディの重量バランスの改善を図りました。
奈良県生駒市のお客様より (上記ギターのお客様)
井田さんに作っていただいた10弦ギターは音がとてもやわらかく、かつ重厚感があります。7弦から10弦がよく響き、バッハのリュート曲などで、バスの旋律が他の声部と対等に、しっかりと存在感をもって聞こえることに感動しました。
私はヴァイスやバッハのリュート曲を6弦ギターでもよく弾くのですが、6弦ギターでは音域が足りないうえに、ハイポジションで弾いている時に開放弦以外の低音を出せないという技術的な制約もあるため、リュート曲の低音をそのまま弾くことができません。結局、出せない音は1オクターブ上げることになり、しばしば声部の逆転が生じてしまいます。
8弦ギターでも音域の問題は解決されますが、低音弦を押さえる場面は多くなります。リュート曲をタブラチュアどおりに弾くために開発されたバロックリュート調弦の13弦ギターや14弦ギターは通常のギターと根本的に調弦が異なるため、通常のギターに慣れていると混乱して弾きにくいのではないかと思いました。10弦ギターは、低音弦が増えることで8弦ギターよりもリュート曲が弾きやすく、1〜6弦の調弦が通常の6弦ギターと同じために13弦ギターや14弦ギターよりは演奏が容易です。バロックリュートの曲を弾くためには10弦ギターがよいと私は考え、これまで多くの10弦ギターを作ってこられた井田さんに制作をお願いしました。
弦の本数が多い分、押さえるのが難しいという話を耳にしたことがあるため、弦長は630mmを選びました。バロックリュートなら開放弦で出せるが10弦ギターでは押さえる必要のある低音のファとソの音を7〜10弦で弾くときは、かなり指を開かなければなりません。私は手が小さいわけではありませんが、もし650mmだったら指が届かなかったかもしれないと感じることも多く、630mmにして正解だったと思います。
10弦ギターで弾くリュート曲の落ち着いた立体感のある音色は魅力的で、リュートでの演奏にも引けを取りません。一生弾き続けるべき素晴らしいギターを作っていただき、ありがとうございました。
群馬県高崎市のお客様より (上記ギターのお客様)
私は、井田英夫氏1987年作の14弦ギター(13コースのバロックリュート調弦にさらに低音側に1本追加したもの)を30年以上愛用しております。仕事をしていた頃はなかなかギターを弾く暇がありませんでしたが、定年退職して時間ができたため、井田英夫氏に10弦ギターの製作をお願いしました。なぜ10弦ギターにしたかというと、ルネッサンスリュートの曲と、J.S.バッハのリュート曲を弾きたかったことが理由です。
バロックリュート調弦の14弦ギターであれば、S.L.ヴァイスなどのバロックリュートの曲を再現することができますが、バッハのリュート曲はそのままでは弾けないものが多いのです。例えばギターで最もよく弾かれる組曲ホ短調(BWV996)は、そのままの調性ではバロックリュートでは演奏困難であり、この曲を源調で演奏するのに最も適した楽器はナルシソ・イエペスの10弦ギターだという意見を聞いたことがあります。バッハの他のリュート曲の多くはバロックリュートでは調性を変えないと弾けませんが、それならば10弦ギターで弾いたほうが演奏はずっと楽になります。
10弦ギターはイエペスが発明したものであり、6弦ギターの低音側に共鳴弦として使用する4弦を加えたものでした。しかしイエペスは、バッハのリュート曲を録音する際に、低音側の4弦をDCBAと1音ずつ下がっていく調弦に変更しました。これがいわゆるリュート式調弦というものであり、6弦ギターでは出せないバッハのリュート曲の低音部の再現を狙ったものです。以上のことから、私はこのリュート調弦の10弦ギターこそが、バッハのリュート曲を弾くための楽器として最適なものであろうと考えるに至りました。
さて、これまで愛用してきた井田英夫氏作の14弦ギターは10弦ギターをベースに作られたものであることから、同氏の10弦ギターには大きな期待を持っていました。完成したギターを実際に手にしてみて、期待以上の満足が得られました。最初に驚いたのは弦を押さえやすくなり、セーハがずっと楽になったことです。また低音弦は大変しっかりした音を出すことができ、高音弦と低音弦の音のバランスが非常に良いことも特筆されます。
ルネッサンスリュートの曲を弾く場合は、第3弦を半音下げて3フレットにカポタストを付けますが、これで調弦はルネッサンスリュートと全く同じになります。この調弦の10弦ギターでは、ルネッサンスリュートのすべての曲を変更なしにそのまま弾くことが可能です。ダイアナ・ポールトンが編集したジョン・ダウランドのリュート曲集(全105曲)というのがありますが、10弦ギターではすべての曲をそのまま弾くことができます。3フレットにカポタストをつけると非常に華やかな音がして、まるで別の楽器のような感じがします。カポタストなしとありとで別の楽器を弾いているような、2倍の楽しみ方ができます。
以上の様に、10弦ギターではルネッサンスリュートの曲やバッハのリュート曲の練習に励んでいます。この楽器を手に入れてからまだ1か月とちょっとですが、毎日音を出すのが楽しみで仕方がありません。この様な素晴らしい楽器を製作された井田英夫氏に深く感謝いたします。
11弦ギター
マンホン式11弦ギター
お客様のご意向が随所に反映されています。
多弦ギター価格表
仕様 |
価格 |
(標準)7弦・8弦・10弦 |
¥420,000~ |
弦長650mm・640mm・630mm共 |
¥420,000~ |
裏・横 ローズウッド、メールプ材使用 裏・横 ココボロ・ローズ材使用 裏・横 ハカランダ材使用 |
¥420,000~ ¥525,000~ ¥840,000~ |
エレアコ仕様 カッタウェイ仕様 |
価格+5万円 価格+5万円 |
価格表示は、何れも税込み価格です。
全クラス、ギターケース、送料共、すべて当工房にて負担させて頂きます。
左仕様(左利き用)価格は変わりません。
ヘッドの彫刻、貝のインレイなどの装飾は、オプション仕様につき別料金となります。
詳細につきましては、メール又は、お電話にてお問い合わせ下さい。
尚、お電話の方がより詳しくご説明出来るかと思います。
同じ種類の木材でも、上のクラスに従って乾燥期間及び、厳選された上質の材料を使用致します。因みに、ギターに使用する高級材の多くはワシントン条約の批准により輸出入が厳しく制限され、年々希少価値が高まっております。